佐藤弘和さんの音楽

2025.07.21

サトウヒロカズのサクヒンをエンソウする会

Photo_20250721231401 GGサロンで行われた藤元高輝さん、斎藤優貴さん、井本響太さんのグールプ、チェ・ギターラのコンサートにうかがいました。
佐藤さんの作品をプロの演奏で聴く機会が貴重なだけでなく名手3人なので悪かろうはずがないのですが、予想を大きく上回る素晴らしさでした。

プログラムにあった「鳥が飛ぶ」は、幕間に3人の奏者が舞台袖でチャイムのように演奏するという粋な演出。
<追記>noteのレポートにどれを誰が弾いていたのかの答え合わせが出ていました。
ということで、実質「森の中へ青い花を探しに」でスタート。濃密なアンサンブルとダイナミックスで最初から「サクヒン」の世界に引き込まれます。続く永島志基さんへの委嘱作品「音の密林より」もまるで姉妹作のようで、さらなるハイテクニックを見せる場面もあり、高密度の音楽世界が展開されました。
佐藤さん編曲のフォーレの「ドリー」では、3人が入れ替わりながら全曲を弾くという趣向。目まぐるしく奏者が交代しながら、フォーレらしい風景を一貫して感じさせる音楽体験だったのはさすがでした。
前半最後は、井本さんと斎藤さんによる佐藤さんの「風の運んだ4つの歌」。聴き慣れているはずの曲ですが、緊張感高まる部分と柔らかい音の対比が美しい。それを支える高い技術があってこその表現力なんだなあと思います。

後半最初は福島明佳さんのフルートと藤元さんで佐藤さんの「マザーグースのソナチネ」。これもかつての作品展で聴いているはずですが、フルートの優しい音色がコンサートのアクセントになるとともに改めて詩的な美しさを堪能しました。
続いて、鈴木巌さんの「飛天」。クラシックギターを始めた頃、当時の東邦生命ホールでの演奏会を聴いた記憶が蘇りました。鈴木さんの教室にうかがったこともあり、お人柄が思い出されました。
大坪純平さんは最近知り合ってからすっかり好きになった演奏家&作曲家で、演奏された「Sky Cycle」は短いながら疾走感が抜群のかっこいい曲でした。
プログラム最後は佐藤さんの「鳥の詩」でした。
佐藤さん自身を含む演奏を聴いて以来、アルポリールギタートリオなどを経て4度目になるのですが、プログラムに書かれていたとおり改めて名曲だと思いました。特に2楽章「平和を祈る鳥たち」でこの上なく美しく歌われたカタロニア民謡、3楽章の「戦う鳥たち」のダイナミックな演奏でこの曲の素晴らしさを再度体験できました。 

アンコールでの藤元さん編曲というかほぼ作曲の「赤とんぼ」で藤元さんの才能を垣間見ながら、さらなるリクエストに応えて演奏されたのは、佐藤弘和さんのBeautiful promise!(演奏例)これは奥様との結婚にまつわる曲で、 その素朴な美しさもさることながら3人によるユニゾンの演奏が佐藤さんが尽力された合奏の音響を彷彿とさせ、胸に迫るものがありました。
終演後は何か喋るとまずいことになりそうだったので黙って帰ろうしたのですが、受付にいらした藤元さんに思わず声をかけたら、感動が吹き出してお恥ずかしいことになってしまったのは内緒にしておいてください。

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2025.03.24

岡野雅一ギター・リサイタル「佐藤弘和作品を弾く」Vol.3

482252599_10237155827863846_127042618652 マリーコンツェルトで行われた岡野雅一さんが佐藤弘和さんの作品だけを弾くリサイタルにうかがいました。
第1回第2回に続いて、他にも活発に活動されながら3回目を開催することだけでも思いの深さを感じます。
いくつかのブロックごとにテーマが設けられていて、第一部の最初は「才能を感じさせる、純音楽的な素晴らしい作品」で、「昔の歌」「素朴な歌」の美しいメロディを君島聡さんの素晴らしい楽器を持ち前の美音で聴かせた後、「ソナチネ」(第3番)が短いながらも様式感と変化に富んだ特徴が表現されました。
続いて「佐藤弘和さんの人柄=限りなく優しさあふれる作品」群は、4つのBabies' Songs(ほまとわ響絆ことは)がその優しさへの共感溢れる演奏で、「静かな子守歌」と「約束」は家族を思う気持ちを感じさせます、
前半最後は「豊かな情景が浮かぶ写実的作品」として、いかにも夕暮れを感じさせる演奏の「たそがれ」と「日暮れ」、ちょうどその日の暖かさを表現するような「チェリー・ブロッサムズ」に続き技巧的な「Summer」を弾き切り、「夏の終わり」でほっとさせ、それこそ歌が聞こえてきそうな「クリスマスの歌」から、これも難易度が高い「緑の季節」でさわやかさをもって前半が終了しました。

第二部は「ギターを知り尽くした佐藤さんの見事なアレンジ作品」でスタート。「この道」「花は咲く」という日本のメロディが美しく奏でられた後、村治佳織さん用ゆえ難しく編曲されている(と佐藤さんが言っていた)「ティアーズ・イン・ヘブン」と「戦場のメリー·クリスマス」が続いて弾かれるという快挙。
次は「感情が表に出た情熱的作品」というカテゴリで、渡辺範彦さん追悼の「情熱のエレジア」で重々しさが表現され、「過ちと後悔」は正に激しく「想い出のシチリアーナ」は郷愁豊かに演奏されました。
青空の向こうに」は発表当時に現代ギターでのオンラインコンテストで課題になった曲でもあり、自分は賞をいただいたこともあり特別に懐かしく聴かせていただきました。
最後「航海者たち」はアップテンポなのに励ましの気持ちが表現され、高揚した気分で締めくくられました。

アンコールは2曲、これも懐かしい「コーリング・ユー」と「エバーグリーン」が演奏され、このシリーズが続けられるというお話とともに暖かい余韻を残しながら終演となりました。

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2024.12.16

佐藤弘和作品を弾いて偲ぶ会

462557541_507876062277982_37465967107049 海音で行われた佐藤弘和さんの曲を弾く会に参加しました。
本会は佐藤弘和さんと親交が深かった渡邉さんが主催されたもので、渡邉さんのご尽力にはいつも感謝してます。

私はトップバッターで、12月らしい寒い日に皆さんがクリスマス曲を用意する中「夏の庭で」を弾きました。これは曲集「季節をめぐる12の歌」に入っているちょっと歯ごたえのある曲で、人前で初めて演奏しました。そんなことで緊張と研鑽不足のためやや不本意な内容でしたが、反省のための記録として貼っておきます。

続いてベイビーズ・ソングズから海音のマスターである千葉さんのお孫さんのために作られたSoraです。このお店で佐藤さんの会をやるなら弾かねばならぬ曲、と思って弾き始めようとしたところ、千葉さんから当日お借りしたギターの解説をいただきました。弾かせていただいたギターは佐藤さんにSoraを作曲してもらったときに、Soraさんのために野辺成一さんに女性向けに少し小ぶりにオーダーしたギターだそうで、ラベルにも「Soraへ」と書いてあります。当日はギターが多すぎることから私は借りることにして、会場で何気なく選んだのですが、偶然にしてもあまりにも運命的なことに驚きました。
ということで、緊張感がマシマシでの演奏でしたが、ギターに助けられたようで割といい演奏ができたように思います。

以降は以下のようなバラエティ豊かなプログラムで、演奏後でしたのでビール飲みならリラックスして楽しむことができました。

佐々木さん:Yumi、トッカータ、クリスマスの歌
実力者によるさすがの演奏でした。トッカータのようなかっこいい系の曲がもっと弾かれるようになるといいなと思います。

デュオ渡邉家:素朴な歌、淚
夫婦デュオによる名曲の安定した演奏。佐藤さんに聴いてもらったときのエピソードにもグッときました。

zakkaya:素直な気持ち、カリヨン、クリスマスのキャンドル
こちらは常設デュオの安定感。いつも思いますが朗らかな芸風に癒されます。クリスマスらしい選曲が良かった。

みなくるとがっち:ハーブの庭、ノエル
こちらも常設デュオで、ハーブの庭は初めて聴きましたが聴きやすい良い曲ですね。こちらもしみじみとしたクリスマス曲を準備してて偉いなあと思います。

Duo Poco :きよしこの夜、幸せな日々
夫婦デュオらしく、きよしこの夜は独奏版で弾いたことありますが、2重奏だと独特の和声がより美しく響くようでした。合わせが難しいシンコペーションがてんこ盛りのリズミックな曲も安心して聴けました。

さっちゃんandよしつね:そよ風の中自転車に乗って、ソリチュード、小シシリエンヌ
こちらも経験豊富と思われるデュオで、どれも名曲で美しく弾かれました。特にソリチュードは2重奏における「素朴な歌」になりうると思う。

ふみあきみなくるとがっち:組曲 「ある一日」 よりおはよう!、昼に
朝のシャキッと起きて仕事に向かうところから、昼はまったりとした昼休みが終わって始業のチャイムが鳴るイメージなんですかね。佐藤さんらしいウィットを感じました。全曲聴いてみたいです。

2×2:田園組曲
現代ギターに載っていたように記憶していますが、ちゃんと実演が聴けてよかったです。いろいろな田園風景を思わせる曲想の中で、ここにもカリオンが出現するんですが、さらに凝ったカノンになっていて楽しかったです。

ブルーベル:風にのって遠くの森へいこう、ことは、響絆
「風にのって~」も3重奏の名曲だと思います。難しい曲だと思いますが、さすが実力者ぞろいで鮮やかな演奏で楽しませていただきました。
ベイビーズ・ソングズの重奏版も息のあった暖かい演奏でした。

306:光の街
佐藤弘和ファン界隈の定番曲ですが、4重奏版は初めて聴きました。なんと全員暗譜で、それぞれが良く弾き込んでいるように感じられ、3回目の合わせとは思えない好演でした。若い人たちに引き継がれていくことが、喜ばしく思います。

終演後は楽しい打ち上げで、偲ぶ会らしく佐藤さんの思い出やら曲への思い入れやらいろいろ話して楽しかっただけでなく、これからも佐藤さんの曲が弾かれ続けるような活動をしなければという思いを新たにしました。

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2024.01.28

佐藤弘和作品を弾く会

1月20日に佐藤さんと親交の深かった渡邉史明さんが主宰された佐藤弘和作品を弾く会が開催されました。
佐藤さんの曲はいつも何か練習するようにしているので、お声がけいただいて即参加を決定しました。その時弾いている曲で出ればいいかなぐらいに思っていたら、他の参加者はみんな重奏とのこと。急遽、参加予定者から旧知の黒田さんを誘って二重奏も演奏することにしました。

202401202 独奏は私一人でしたのでトップバッターで「遠き日々」を演奏しました。佐藤さんが恩師に捧げた小品ですが、副題の「エレジー」は追悼の意味だけではなく"遠い日々を思い起こす"雰囲気もあり、自由なイメージで弾いて良いと解説されていました。「佐藤さんの演奏を聴いた日々を思い起こす」というイメージで弾けばこの会にふさわしい曲になるかなと思って選びました。
岡野さんが美しく編集した動画をいただきましたので、追加で貼っておきます。

音量のコントロールがいまいちできていなかったですが、前座としてはまずまずだったと思っています。

202401203 二重奏は、かつて現代ギター誌において、分かりやすく身近な二重奏というコンセプトで連載された「二重奏の楽しみ」という企画でちょうど1月号に載った「幸せな日々」を弾きました。明るい曲想で技術的には楽そうなので選んだのですが、思いのほかポップなリズムが難しく、途中やや不幸な雰囲気が漂いますが、どうにか止まらず弾き切りました。

合わせたのは、Back in Town以来2回目なので、こんなものかなとも思いますが、もう少し完成度を上げるべくもう1度トライする予定です。

他の出演者の演奏はそれぞれよく弾きこまれた素晴らしい演奏でした。以下グループ名と演奏曲を書いておきます。

・デュオ渡邊家
最大のヒット曲「素朴な歌」のデュオバージョンはしみじみとした、「二重奏の楽しみ」に入っている「そよ風の中、自転車に乗って」は軽快な雰囲気の好演でした。これは弾いてみたい。

・zakkaya
グループ命名センスが素晴らしい!マンドリンとのデュオ曲集から「素直な気持ち」「カリヨン」「古いイタリアの歌」「夢見るお人形」をギター二重奏に利用するのもいいアイデアで、メロディが際立つ名曲を楽しく聴きました。

・みなくるとがっち
2人の旅人」も「二重奏の楽しみ」に入っていますね。「小シシリエンヌ」は最初に現代ギター添付楽譜に独奏譜が掲載された懐かしい名曲。曲の持ついい響きを聴かせていただきました。

・Duo Poco
「ハーモニー」も「二重奏の楽しみ」の収録曲、「遠い谷への旅」はかつてデュオ・トラサルディの演奏で聴いたかっこいい曲。綺麗なアンサンブルでら練習を重ねていることが分かります。

・トリオ渡邊家
「Kotoha」と「Sora」はベイビーズ・ソングズの曲ですが、三重奏があるんですね。名曲を弾きやすい編成で楽しめるのは良いなあと思いました。

・くもうた
組曲「雲の詩」はこれもどこか懐かしいなあと思っていたら、あの佐藤さんの最後のコンサートでクワトロ・パロスが弾いた曲でした。学生のクラブOBメンバーらしく息のあった演奏で、続けているということも含め素晴らしいと思いました。

・ブルーベルギター合奏団
「Canary」 の「西へ」と「竜血樹の島」の全曲演奏は初めてだそうですが、しっかりした構成感の立派な演奏だと思いました。佐藤さんの奥さん上手い!

・ギターソサエティ・リマーレ
こちらも学生クラブのOBのグループ。「風に乗って遠くの森へ行こう」は細かいパッセージが複雑に折り重なって合わせるのが難しい曲で、苦しみながらも弾いたことがありました。そこは学生時代から続いているグループで、危なげないアンサンブルを楽しみました。

最後に恒例の「光の街」が合奏されました。ぶっつけ本番で演奏ということでリハーサル的な1回目に続き、2回演奏されました。前田司さんの指揮が素晴らしく皆さんも弾きこまれていたためか1回目からすでに素晴らしい演奏でしたので、2回も聴けてラッキーでした。

終演後は打ち上げでちょっと飲み過ぎましたが、これまであまり交流がなかった方たちとお話する機会が持てて充実した1日となりました。

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2021.03.29

岡野雅一ギターリサイタル~佐藤弘和を弾くVol.2

岡野雅一さんのリサイタルを聴きました。佐藤弘和作品集の第2回目です。
近江楽堂ですので、前回のリサイタルだけでなく、佐藤弘和さん自身が演奏された作品展のvol.2vol.5を聴いた記憶が蘇ります。

今回も練られたプログラムで、第一部は前半が「季節を巡る」さくらに始まり一周してさくらで終わる組曲的な構成で、大変だったこの1年に思いを馳せずにはいられませんでした。
後半は「回顧」。誰かのために、何かの記念に作られた曲は、それ自体が歴史となり思い出を語ってくれます。

第二部前半は「アレンジメント」で、名曲を名編曲で聴く時間。特に戦場のメリークリスマスは、スクリーンで映画を見てからずっと好きすぎて困ります。
そして最後は文字どおり「フィナーレ」。
佐藤弘和さんの美しいメロディ全開の曲ばかりで、最後まで堪能させていただきました。

アンコールは、まず優しいメロディが印象的な「エヴァーグリーン」。そして「青空の向こうに」は現代ギターのコンテストで弾いたり、いろいろなところで聴かせていただく機会も多かった思い出深すぎる曲で、コンサートを暖かく締めくくっていました。
岡野さんはとにかく地音(という言葉があるのか)が柔らかく美しく佐藤さんの曲によく調和していて、リラックスして聴くことができました。ぜひ第3回も開催していただきたいと思っています。

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2020.03.04

Babies' Songs (recorded by Juan Carlos Laguna)

81dfqk2jz0l_uf10001000_ql80_今の所オンラインでの配信しか無いようですが(Spotifyはここ)、ファン・カルロス・ラグーナさんが昨年出した佐藤弘和さんのBabies' Songsが出ているのを知人から教えてもらったので、聴いてみました。

メロディの優しさもさることながら、和音が豊かに響くように意識されて書かれているのを感じます。当然、曲調はゆったりしていて、ラグーナさんも美しい音で丁寧に弾いていることが感じられる演奏ですので、BGMとして流しておくのにも良いですね。

佐藤弘和さんの作品で、録音されたものは意外と少ないと思いますので、ファンの皆さんは入手されると良いと思います。この他でレコーディングされたものとしては、Daniel Quinnさんの日本人作曲家アルバムに入っている秋のソナチネ福田進一さんのハイパー・アンコールに入っている「素朴な歌」、松田弦さんのeverGrEeNに入っているエヴァーグリーンぐらいでしょうか。素朴な歌は、小関佳宏さんのファーストアルバム(売り切れてますがSpotifyにはあります)にも入っていますね。また、このようなプロのギタリストによる演奏や録音がももっと増えて欲しいなと思います。

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2017.08.16

佐藤弘和作品を楽しむ会vol.3

Img_20170816_0001立川市柴崎学習館ホールで行われた佐藤弘和作品を楽しむ会にうかがいました。

独奏から合奏まで、マンドリンやフルートまで参加する豊富なバリエーションの演奏を堪能しました。
以前所属していた多摩川(ギター)カルテットも出演し、「二十歳の頃」を客席で聞くことができました。最初つかみどころがないと思っていたこの曲が、今はどこか青春映画のようなドラマチックさを感じるいい曲に思えていて、客席でもその良さを感じることができました。
ギターデュオのHOPEという曲は多分初めてで、おそらく震災後に書かれた曲だと思いますが、佐藤さんらしい前向きな曲想が良いと思いました。
フルートとギターのデュオ曲のフェアリーテイルは作品展vol.4で弾かれたことを思い出しました。これも広く弾かれて欲しいので出版が待たれます。
秋のソナチネも久しぶりに生で聴けて良かった。立派な演奏でした。佐藤さんの結婚式にも流れていたというエピソードで、この曲に取り組みたいという気持ちが高まり、演奏内容も参考になりました。
マンドリンとギターの曲集はいろんな楽器と使えそうです。楽譜ありがとうございました。
齊藤泰士さんが弾いた 「航海者たち」は切れの鋭い演奏。本日の白眉だったのではないでしょうか。
立山讃歌は作品展vol.3でも弾かれたことを思い出しました。記憶あいまいですが(すみません)、開演前に永島さんがおっしゃっていたように、弾く機会を作ることの重要さを感じながら聴きました。
全体合奏の定番、光の街はプロの顔も多くみられる圧巻の演奏。いまだに手拍子のリズムすら覚えていない私は実はモグリかもしれませんが、3連のモチーフが生まれたエピソードとともに楽しく聴かせていただきました。

演奏に際して披露されたエピソードは初めて聞く話もあり、それぞれの曲への佐藤さんの想いを感じ、大切に弾いていかなくてはいけないと感じました。主宰されるブルーベルギター合奏団の方はいろいろご苦労もあると思いますが、これだけ多くの来場者がこれからもいろいろな形で支えてくれると思うので、長く続いて欲しい演奏会だと思いました。


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2017.07.29

岡野雅一ギターリサイタル~佐藤弘和作品を弾く

Okano_satou_program近江楽堂で行われた岡野雅一さんのリサイタルを聴きました。
作品展のvol.2vol.5を聴いた想い出のホールですから、始まる前から感慨深い気持ちになります。

プログラムが非常によく練られていて、第一部では「祈りⅠ」「童心」「夕景」「季節」、第二部では「祈りⅡ」「回顧」「優しさ」「未来へ」と題されたグループごとに小品が組曲のようにまとめられ、適切な関連性を持って一連の曲を聴くことで佐藤さんの心象風景が浮かびあがってくるようでした。オリジナルの抒情的な美しさもさることながら編曲作品も、佐藤さんらしい凝った和声とバスや内声の動きでギターのオリジナルのように響いており、プログラムに適切な変化を与えていました。

そして、岡野さんの柔らかい音が佐藤さんの曲に良く合っていて、上質な音楽となって伝わって来ました。小品ながら30曲(+アンコール2曲)という、重量級となったプログラムを聴かせきった岡野さんの想いとそれを実現たらしめる技量も素晴らしい。

あらゆる要素の質が高く、佐藤さんが私達に遺してくれたものの大きさを攻めて感じることができた「作品展vol.7」とでも言うべき演奏会だったのではないかと思います。
この演奏会に行くことができて本当に良かった。

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2017.03.19

佐藤弘和『音楽のエッセイ』、CD『鳥が飛ぶ』同時発売記念コンサート

昨年、惜しくも亡くなった佐藤弘和さんの遺作とも言うべき曲集「音楽のエッセイ~ギターソロのための24の小品集~」とそれを収めたCD「鳥が飛ぶ ー佐藤弘和作品集ー」の原善伸さんによる発売記念の全曲演奏コンサートにうかがいました。

心に染みるコンサートでした。
最初は、独奏の24の小品から。少しだけですが参加させてもらい作曲時の経緯を知っていると、その日々の佐藤さんの気持ちを反映した純粋な美しさがあるのが感じられます。また、原さんのすっきりとした音とともに、思い出のアルバムをめくるような気持ちになり、特に最後のコラールは胸に迫るものがありました。CDを聴きながら書き忘れてたことを思い出して追記します。この曲集の中でも、特に退院されてからの7曲に、何か強い思いがあると思います。この曲集はとても大切なものであることを感じました。
後半は重奏で、まずは鈴木大介さんとの2重奏。これらは24のソロと同曲ながら和声が充実していて別の曲のように聞こえます。そして3重奏の夏野原。大萩康司さんが加わってこれ以上は考えられない豪華な組み合わせで、爽やかなこの曲を楽しませていただきました。
アンコールでは、原さんのソロに続いて、3重奏で光の街というサプライズ!鈴木さんのウイットに富んだMCもあり、この豪華なメンバーで定番曲を聴けたのは貴重でした。

終演後は、購入したCDにサインしていただき、3人の名前が入ったプレミアム物のおみやげを持って家路につきました。
<追記>
CDを聴いていますが、これは素晴らしい。録音が良く音が美しい。表現を細かいところまで磨み佐藤さんの意図がよく反映されていて、聴いていて心地よいだけでなく演奏するときの参考としてもありがたいです。

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2016.12.28

追悼 佐藤弘和さん

大好きな作曲家ギタリストだった佐藤弘和さんが亡くなり、お葬式にうかがってお見送りしました。

あまりにも暖かった命日に続き、前日の涙雨から青空なんて偉大な音楽家を送り出すのに相応し過ぎて悲しみが募ります。
とにかく優しい人で、お葬式でも生前の人柄が偲ばれました。ギター界でここまで優しさと才能を持ち合わせた人はいなかったでしょう。式の間に流れていた曲、弾かれた曲にあふれる優しさが参列者にも伝わっていることが感じられ、佐藤さんの曲は必ず弾き継がれていくことを確信しましたが、より多くの方に佐藤さんの曲を弾いてもらいたいとも思うので、演奏の思い出とともに追悼してみることにします。

佐藤さんの曲との出会いは、1990年代の初めに現代ギター誌に時々掲載された1ページの楽譜です。特段のプロフィールの記述もなく唐突に載っていて、新進のアコギの人かななどと思いながら弾いてみたら美しく弾きやすいので、以後出るたびに弾いていました。この頃の作品は、佐藤弘和佐藤弘和初期ギター作品集に入っています。
この曲集は「素朴な歌」も収録されており、タイトル曲も含めて名曲ぞろいですね。

その後、オリジナル曲を参加条件とするオムニバスアルバムにお声をかけていただいたため、当時現代ギターの編集長だった故・菅原潤さんを通じて二重奏の作曲をお願いしました。それがこのSuite for Twoです。妻の曲想に関するリクエストにも応えていただいて、イメージどおりの曲になりました。その後、作品展vol.3でも演奏されていました。この曲はプロアマ問わず多くの人に弾いてもらいたいので、いつか出版していただきたいと思っています。

佐藤さんの作品の特長は、どれも美しく親しみやすいメロディながら、和声がおしゃれなところかなと思います。そこが好きでオフ会でよく使わせていただきました。
このSolitudeは現代ギターに1年間連載された二重奏シリーズの1曲で、特に気に入っています。作品展vol.3でも取り上げていらっしゃいました。

青空の向こうにの出版で、現代ギターに連載されたギター独奏曲はほぼ出版されたということですが、二重奏の連載などまだ出版されていない曲も入手できるようになることを期待しています。<追記>「佐藤弘和ギター二重奏作品集」として出版されました。
また、タイトル曲は作品展、葬儀での小関さんの演奏が感動的でしたが、私個人としても思い入れがあります。
この曲は現代ギターで行っていたYouTubeを使ったムービーコンテストの最後の課題曲で、佐藤さんの新曲が課題曲になるということで、気合を入れて応募しました。
今回の出版を機に多くの人に弾かれる曲になるでしょう。

ギタードリームに掲載された「花の宴」は、日本的メロディを取り入れた美しい曲だと思い演奏しました。
廃刊になったギタードリームには毎号佐藤さんの曲が載っていて、編集方針からか弾きごたえのある曲が多かったように思いますが、現在は入手が困難になってきました。このようないい曲がたくさんあるので、これらも埋もれさせないために今後何らかの形で出版されることを願っています。

<追記>少しずつですが、ギタードリームの楽譜を音にして以下のプレイリストに入れています。

ベイビーズ・ソングもすっかり定番のシリーズになりました。オフで特集したときに、そのはしりとされる「やさしさ」を弾きました。こちらも風の間奏曲~48のやさしい小品集~に収録されたので、多くの人に弾かれるようになることが期待できますね。
しかし、こういう曲が新しく作られなくなると思うと残念です。

この夏には入院中にも関わらず精力的に作曲されていて、毎朝Facebookの投稿で増えていく新曲を多くの人が演奏しました。音を聞きたいという佐藤さんの要望に応え録音を投稿する人も現れ、私も参加させてもらいました。佐藤さんからのコメントもいただき、貴重な暖かい時間を共有させていただいたように思います。

その他にもいくつか弾いたので、プレイリストにしてあります。

編曲でも素晴らしい仕事をされていました。村治佳織さんのために編曲されたティアーズ・イン・ヘブン、戦場のメリークリスマス、カルメンなど多くの作品は、和声、構成ともに凝ったコンサートプログラムに相応しい本格的なレパートリーになりました。

個人的にビートルズものも提供していただきました。

これも佐藤さんからいただいた縁なのか、最近になって三重奏以上の演奏に参加させていただく機会ができ、佐藤さんの曲を積極的に取り組みはじめました。本当は四重奏を完成させて聴いていただきたかったのですが、代わりにちょっと前に演奏した(やや苦しい内容の)「風にのって遠くの森へ行こう」を張っておきます。

こうして、私が関わったものだけ見ても、ギター界が失ったものがいかに大きいかわかりますが、残された沢山の作品を大切に弾いていきたいと思います。

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