2017.04.09

無人島に持っていく10のギター曲

先日、マイケル・マンリングのライブCDを特典としていただいたときに、この曲は無人島に行くときに持っていく曲のひとつだなあと思ったのをきっかけに、もって行く10曲を選んでみることを思いつきました。

1.Michael HedgesのAirial Boundaries

この曲はアコースティックギター曲の金字塔ですね。初来日で聴いてからずーと好きでした。フォロワーは多いし、このジャンルは全体も好きなのですが、いまだにこの曲を超える曲に出会ったことがありません。ナイロン弦で弾いてみたこともありますが、やはり本人の演奏がいいですね。



2.Manuel BarruecoによるBach リュート組曲2番

バッハは1曲入れたい。全集なら先日来日したガジェンのCDがいいですが、やはり「バルエコショック」と言われた初来日を知る身としてはバルエコで1曲入れたい。その時の最初に演奏されたこの曲は、数多あるこの曲の録音の中で、音色、装飾、歌い回しのすべてがいまだにベストだと思います。以前自分でも弾きましたが、今は無理だなあ。本人の演奏動画も見当たりませんが、Spotifyで聴けるようですね。


3.山下和仁によるMussorgskyの展覧会の絵

山下とその金字塔ははずせない。曲自体が好きですが、このギター版がピアノや管弦楽による演奏と比べても、1台で色彩感を表現しきっているという点でギター万歳という感じです。キエフの大門までくると感慨深い気持ちになります。


4.DyensによるDjango ReinhardtのNuages

この曲自体が好きなだけでなく、この編曲はコード付け・構成・アドリブ的な展開すべてが秀逸で、最高のジャズ独奏曲になっていると思います。Dyensは昨年惜しくも亡くなりましたが、この曲は折に触れ弾いていきたいと思います。


5.Yamandu CostaのEl Negro del Blanco

こちらも最近見た興奮からかもしれませんが、優しき怪物Ymanduの演奏も1曲入れたい。モンターニャのコロンビア組曲も好きなのですが、先日のコンサートで最後に弾かれた、南米の海と風の香りがするオリジナル曲にしました。唯一、曲より人優先で選んだので、もっといろいろ聴きこむと曲が差し替わることもありそうです。



6.押尾コータローによる坂本龍一のMerry Christmas Mr.Lawrence

戦メリは昔から好きで、自分でも編曲して弾きましたが、効果的な特殊奏法による映画サウンドトラックの再現度合いが素晴らしいの編曲だと思います。無謀にもナイロンでこの編曲も弾いたことがあります。



7.アサド兄弟によるEgberto GismontiのBaião Malandro

アサド兄弟も1曲入れたくなります。特にこのアルバムが好きで収録曲はどれも素晴らしいのですが、音が細かいのにうねるようなリズムで海が目に浮かぶようなこの曲が好きです。動画は若いころで、迫力もある素晴らしい演奏。



8.山下和仁によるTedescoの悪魔のカプリッチョ

ここまで来て、ギター独奏オリジナル曲がないことに気づきました。つくづく天邪鬼な自分を感じます。そこで、1曲をえいやっと選んだこれ。パガニーニ賛歌の哀愁あふれるメロディと構成感、後半に2つの主題が交錯するところが鳥肌だと思います。いろいろな演奏がありますが、やはり血気迫る山下でしょうか。ただし、セゴビア版ではなくオリジナルに近いと思われるジラルディーノ版があるので、これをベースにした演奏(自分なりにやってみました)がもっと出てくるといいなと思います。


9.佐藤弘和さんの秋のソナチネ

ギターオリジナルでは、やはり佐藤さんの曲が必要です。堂々たる3楽章ながら、ロマンチックで各楽章の構築感もあるこの曲は、佐藤ワールドの集大成なのではないでしょうか。動画は海外の学生らしき人ですが、しっかりした演奏で好感が持てます。いつか自分でも弾いてみたいと思います。
SpotifyにはDaniel Quinnさんの演奏がありました。



10.Michael ManringのThe Enormous Room

こちらも昨年ライブに行きました。正確には特殊なベースによる楽曲ですが、この曲ではその機能を存分に生かしながら、ゆったりとしたメロディがかもし出す浮遊感が素晴らしいと思います。


だいぶ偏った選曲になりました。気に入った曲はできる限り弾こうとするという芸風も出ていますね。まあ、私の嗜好はこんなもんですということで。

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2016.02.16

パブロ・マルケス クラシックギター リサイタル

イーストエンド国際ギターフェスティバルで行われたパブロ・マルケスのリサイタルを聴きました。

前半はソルとバリオスで、その音楽の美しさを堪能しました。クリアで美しい音に寄りかかることなく、よくコントロールされた音量とフレージングで歌われている一方、内声も丁寧に鳴らしているため、古典はもちろんバリオスのようなロマン派的な曲でもポリフォニックに響いているように感じます。トレモロ曲も正に二重奏のようでした。
後半は知らない作曲家で、リストにある南米のリズムに期待しながらも、ちょっと地味かなと思いましたが、聴きはじめると、その予想は裏切られました。
最初はグスタボ・レギサモンの5曲で、都度解説しながら弾かれ、同郷のこの作曲家への思い入れを感じました。ここでは、フォルクローレのリズム、テクニックも第一級のものを持っていることがわかります。これにクラシックの揺るぎない技術が相まって、ギターの限界を超えない範囲での激しさが加わり、極上のラテン音楽を聴かせてくれました。これらを収録したアルバムがECMから出ているのも分かるような気がします。
プログラムの最後に弾かれたエデュアルド・ロペス・チャバリのソナタは、ギターのオリジナル曲だそうですが、20世紀前半に作られただけあり、近代的響きが感じられるビルトゥジティ溢れる内容を抜群のテクニックで楽しませてくれました。この曲はホセのソナタ的にコンク-ルチャレンジャーに人気が出るんじゃないでしょうか。
アンコールもたっぷり4曲で、ヒナステラのソナタ第4楽章まで入っている充実ぶり。

終演後は、休憩時間に買ったグスタボ・レギサモンのCDを持ってサインの列へ。そこで、一人ひとりに気さくに応対するマルケスと主催者自ら一人ずつ写真を撮る樋浦さんには感激しました。思えば、この樋浦さんのこのホスピタリティがフェスティバルを成功に導いているのだなあと、改めて感じます。これからも、ギター好きにとって至福の時間を与えてくれるこの素晴らしいフェスティバルに期待しています。

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2014.05.16

NEW CD「What a Beautiful Day」と1993年のお宝?映像

久しぶりのToshi Onizuka情報です。

新しいCD「What a Beautiful Day」が発売になりました。今回は題して「ギター三昧」。
ほとんどの曲が、本人のギターによるバッキングと曲によって入る最小限のパーカッションにメロディがオーバーダビングされた構成で、このシンプルさのおかげで、ギターの音が堪能できます。バッキングのギターがしっかりしていないと成立しない難しさがあるんじゃないかと想像しますが、そこは鬼塚さん、強靭なコンパスとリズム感で自然な音楽に仕上がっています。また、1曲ずつエレキ入り、ボーカル入り、ソロがあり、ちょっと雰囲気を変えてくれるのも嬉しい。

こんなCDを聞いていたら、昔鬼塚さんとやったデュオを思い出し、鬼塚さんのスペイン渡航前のラストライブで販売した20年前のビデオを発掘して、恐る恐る聴いてみました。
鬼塚さんの了解を頂いたのでジムノペディとカテドラルをYouTubeにアップしましたが、やはりCDとは対照的に 私の演奏は(特にカテドラルで)へろへろ でした。でも、当時の Toshi Onizukaのフレッシュな演奏は楽しめると思います。

CDは1枚では送料がもったいないと思い、1枚余分に買いましたので、手渡しできる方に定価相当でお譲りします。
なお、本人からの連絡によると来日を計画しているとのことなので、久しぶりに生Onizukaを聴けるかもしれません。

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2013.08.17

Ricardo Gallen/Bach Complete Lute Works

知り合いのブログでRecard Gallenの19世紀ギターによるバッハリュート組曲全集が発売になっているのを知り、購入しました。

Recard Gallenについては、最近増えてきた「バカテクコンクール荒し野郎」の走りというイメ-ジを持っていますが、テクニックで表現の幅を広げているタイプだと思うので、こういう人は好きなんですね。YouTubeでも録音風景が公開されていたので、いよいよバッハアルバム出すか!という期待を持って聴きました。

多くのバッハの録音に比べて比較的自由にテンポルバートしていて、新しくも自然な感じ。繰り返しではふんだんに装飾が入っているどころか、旋律も大胆に変えていてスリリングですらあります。十分ポリフォニックに響いてはいるのですが、ペロワのような多声を立体的に弾き分ける演奏とは、対象的な印象です。1 9世紀ギターの雅なリュートに近い響きがその印象を強めているのかも知れませんが、より粒が揃っている感じで、バッハによく合っています。
私の一番好きなバッハアルバムはバルエコペロワでしたが、このアルバムが加わりました。特にBWV996には決定盤がなかったように思っていましたけど、これはCDで聴ける演奏の中でベストなのではないかと思います。おすすめです。

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2012.11.29

バルエコ バロックリサイタル

バルエコの新譜「バロックリサイタル」を入手しました。

バッハ・チェロ1、スカルラッティ、シャコンヌという選曲は一脈セゴビアレパートリーに通じる所もあるように思いましたが、そこはバルエコ、自然な歌い回しと、しっかりした様式感で聴かせてくれます。
バッハのチェロ組曲第1番では、この美点が数多の録音の中でも他の演奏には無い表現となっているように思われます。この曲のベスト録音なのではないでしょうか。
スカルラッティは、古くからのギターファンには懐かしいK11からブローウェルの演奏で聴き覚えのある数曲に続きます。ここでは、初期のアルバム「イタリアンリサイタル」での演奏を思い出させるイタリアらしい瑞々しさとよく考えられた装飾にバルエコらしさが出て、楽しく聴けました。
ヴァイスは知らない曲ですが、ドイツ風味が際立つように感じられるのは、短調のせいだけでも無いようで、スカルラッティに続けて収録したプログラムの上手さを感じます。
最後はシャコンヌ。旧版のヴァイオリンパルティータ2の全曲録音と聴き比べると、最初はリマスターかと思うほど似た演奏ですが、注意深く聴くと最後の方で低音と装飾が違っているのに気付き、やっと新録音だと確信できました。しかし、こうして改めて集中して聴いてみると、低音を綿密に考えて付加した上に分離の良い音が乗ることで、和音がポリフォニックに響いているように感じることができました。この曲にパッションを求める方には物足りないかも知れませんが、響きの美しい構築感あふれるこのシャコンヌもベスト録音と言ってしまおう。

ということで、バルエコ党員推薦の1枚です。

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2011.02.15

バルエコのタレガ

バルエコのタレガ集を聴きました。

タレガはさほど好きではないのですが、妻へのプレゼントを探している時に見つけてしまいました。バルエコ教徒としては素通りできず、妻もファンなので喜ぶだろうと思い買いました。
しかし、これがなかなか良い。バルエコが弾くと最初のムーア風舞曲が、まるでスペイン国民楽派の巨匠の曲のように響きます。スペイン風セレナーデもアルべニスのようで、ラグリマやアデリータもロマン派の名曲の赴き。メンデルスゾーンの無言歌も朗々と歌っていて、私も弾いてみたくなりました。プレリュード集からの3曲もその難易度ゆえメロディがここまで歌えている演奏はなかなかないと思います。
ただし収録曲は小品ばかり25曲。バルでうまいタパスをつまむような感覚に近く、おなかいっぱいにはなりにくいかな。

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2010.09.29

ボッサ・ドゥ・アニメ

はまりました。

これも我々の世代にジャストミートではないでしょうか。選曲もさることながら、イントロなどの特徴的なメロディをちゃんと取り込んでいるアレンジも巧い。「ドラえもんのうた」のイントロはこっちがオリジナルなんじゃないかと錯覚してしまうほど。「ハーイ、タケコプター」も最高!
「ラムちゃんのラブソング」はそもそもラテンだし、「バカボン・メドレー」は思わず笑ってしまうけど美しい。「はじめてのチュウ」はちゃんとしたボーカリストが歌ってもサマになる名曲で、その昔、鬼塚くんと彼の友達のボーカリストとセッションしたことがあり、懐かしさも手伝って、それこそ涙が出ちゃいます。

アコギの粋な間奏も聴き所。「ギター好き」「ボサノバ好き」「アニメ好き」でチェックが2つ以上ついたら即買いです。

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2010.09.28

村冶佳織/ソレイユ

村治佳織さんの新盤はポピュラーミュージックを中心としたもの。その多くを占める佐藤弘和さんの編曲が聴いてみたくて買いました。

40代後半から50代をターゲットにしたのではとすら思われる選曲です。オリビア・ニュートンジョンなんて若い人は知ってるんだろうか。佐藤さんの編曲はさすが作曲家だけあって和声が綺麗に響き、演奏効果も高いようです。後半トレモロで盛り上がる「追憶」なんか特にいいです。弾いてみたいのでぜひ楽符を出して欲しいなあ。>佐藤さん
クラシックのレパートリーも美しく手堅い演奏なのですが、私にはこのアルバムに収録する必然性はやや疑問です。ギタ一オリジナル曲なら、それこそ佐藤弘和さんの曲を村治さんのギターで聴いてみたい。村冶さんが出演したJーWAVEの番組を偶然聞きましたが、クラシックも良いが、今生きている人と音楽をやることが楽しいというようなことをおっしゃってましたし。

それでも、録音もきれいで十分に楽しめる好企画盤だと思いました。

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2009.11.29

Michael Manring/Soliloquy

マイケル・マンリングについては、以前YouTubeの動画を記事を書いてから気になっていたのですが、ついにCDを入手しました。

1枚目は最近作のSoliloquyです。
ほぼ完全なベースソロアルバムで、一気に全部聴くとちょっと重い感じですが、マンリングのテクニックを堪能できます。


もう1枚は1994年の作品Tonkです。
こちらはギタリストとしてはスティーヴ・モーズが参加していることが注目されますが、ゆえにハードな内容。ニュー・エイジのイメージではないです。ややあっさりとした演奏ながら、名曲「Enormous Room」も収録されており、マンリングの多様な音楽性を感じることができます。

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2009.10.31

バルエコ/Virtuoso Guitar Duos

バルエコの最新盤は比較的ポピュラーな選曲の二重奏曲集です。買うか迷いましたが、バルエコ信者としてはやはりスルーできませんでした。

全体的印象はスペイン風味が強く、同じ曲の名演は他にもあるので、もっと新しいレパートリーを聴けたらよかったかなとも思いましたが、フルートの代わりにギターでメロディを弾くイベールの間奏曲は斬新に響いていますし、ソルの幻想曲は古典らしい堅実な演奏ながら、バルエコならではの歌い回しが心地よく感じられます。

ということで、バルエコファンの立場で言えば、スタンダードな曲を歌心豊かでプリプリとしたバルエコ節で楽しめる名盤と言えるのではないでしょうか。

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