2018.02.11

ファン・ファルー ギターリサイタル

Juanfalu最近活動自粛ぎみにしていますが、せっかく大物がやってくるイーストエンドギターフェスティバルに1つぐらい行かなきゃ損と思い、久しぶりにコンサートに出かけました。
今回は迷った末に、まだ聴いたことがないファン・ファルーを聴くことにしました。

1曲ずつ解説しながら進めるスタイルで、リラックスして聴くことができます。フォルクローレのリズムがいつもゆったりと流れている上で、ギターの音が暖かく歌う感じです。アルフォンシーナは知っている曲なのでわかりましたが、ジャズとはまったく違う語法でインプロバイズして弾かれているようでしたが、それも自然で美しい。
そして歌になると、アルゼンチンの生きる国宝と言われる意味がさらによくわかってきます。スペイン語なのでニュアンスはフラメンコのカンテに似てるんだけど、適度な湿度がある。でも演歌ほどではなく、適度な暖かさが感じられました。

このフェスティバルではいつも、クラシックではないギタリストの演奏は、自分がギタ-を弾く上で忘れがちになることを思い出させてくれます。
いつもながら良いコンサートを企画していただいている主催の樋浦さんに感謝です。

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2017.12.03

第60回東京国際ギターコンクール

今年も東京国際ギターコンクールに行ってまいりました。あまりにもドラマチックな内容でした。演奏順に観戦記を書いてみます。

1.Anton Baranov(Russia)
王道クラシックの演奏だけど、曲がちょっとつまんない。私は3位でも良かったのではと思いましたけど。

2.菅沼 聖隆
ホセのソナタは絶品でした。今日のプログラムの中では一番好きだったかも。テクニックはワールドクラスなので、これからが楽しみです。

3.Zhanxiang shi(China)
ポンセのフォリアを集中して全曲弾ききり、最近活躍が著しい中国パワーを感じさせました。ただ音楽が若すぎる。まだ10代、これからに期待。

4.Flavio Nati(Italy)
選曲のせいか音楽がちょっと内向きに感じられました。古典・ロマン派枠をもう少し責めた曲を選んでも良かったように思います。

5.小暮浩史
アゴーギクをうまく使った落ち着いたフレージングとセンスの良い繰り返しの装飾が美しかったスカルラッティ、レゴンディでの複雑なパッセージの中に聴こえる粋な歌い回しなどフランス留学の成果が感じられました。師匠譲りのダンジェロも好演。これまでで一番良い演奏でした。

6.Gian Marco Ciampa (Italy)
小暮さんついにやったかと思いながら迎えたラストバッターが怪物でした。美しい音と緻密なテクニック。おそらくダブルトップと思われる爆音系ギターを最大限生かしたダイナミックレンジの広さ。

弾き終わった時、やばいと思いましたが、冷静に考えると、各年代の曲はそれぞれ互角と思われ、課題曲は澄んだ響きと歌に和の心が感じられた小暮さんと映画音楽のように歌い上げたMarcoさん、これは審査員好みで決まると思われました。
そして結果はこちら。


点数表をみると僅差で、間違ってないか電卓出して計算したぐらい。後から考えると、小暮さんは音楽をすべての観客に届けようとするステージングだった。これが結果に現れたのかもと思います。それと、多くの参加者が爆音系ギターを使うのに対して、伝統的工法と思われるギターを使って立ち向かっていたのもサムライを感じ、好印象でした。
今から来年の優勝者コンサートが楽しみです。

一晩明けましたが、まだ興奮冷めやらぬので、もう少し追記します。
点数表のとおり、上位2人の審査員の評価は3対3で分かれています。しかも2位につけたのはすべてギタリストで、さらにギタリストで唯一1位をつけてくれた小原さんの点数はルールにより除外。しかし、一方で2位でも全体の点数が高い、つまり多くの審査視点からの評価が相対的に高ければ、上位になるという、なかなかよくできたルールでもあります。
きっとギターの神様にその場にいた多くの人の気持ちが届いたのかなあなどと思うと、今でも胸が熱くなります。

さらに追記。福田さんのツイートが一言で表しています。さすが巨匠!

まだまだ追記。
彼の師匠である高田元太郎さんが、入門からの経過など祝辞とともに書いています

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2017.12.02

山下和仁ギターリサイタル

1512172356355.jpg 実にリサイタルとしては7年ぶりに、音を聴くのは菅原さんの追悼コンサート以来の山下和仁ギターリサイタルに行きました。思えは、前回は私も(たぶん)40代でしたので、今回は50代の山下を目撃すべく紀尾井ホ-ルに行ってまいりました。
一番安い左側の二階席を買いましたが、さすが山下、良く聞こえます。肝心の演奏は、相変わらずの山下節炸裂で、ダイナミクスの幅が極めて大きく、しかも自然と膨らんで行くように変化するところが、心を揺さぶるのかななんて思いながら聴きました。
時にメタリックなほどの音色の変化とともに他のギタリストのそれと明らかに異なる山下さんの特長なんだなあと改めて感じました。

2重泰ではシェエラザードが凄かったのは多くの方が思うとおりだとして、私はビバルディが気に入りました。最初はちょっと高音寄りの和音が多く軽めな印象でしたが、父山下の和音の流し方やトリルが美しく、感傷的なメロディと相まって娘さんの小ぶりなギターにも良く合った好編曲で、楽譜が出ないかななんて思っちゃいました。

息子さんの曲は正直掴み所がない印象でしたが、こういうコンテンポラリーな曲を後半の1曲目あたりに入れるのもかつての王道のプログラミングであったように思います。バッハでは緩楽章では誰よりもゆったりと歌っていて、ここまでやるのはなかなか難しいでしょう。フーガは快速ですが、全ての音を鳴らしきる圧巻の演奏。最後のアレグロはオーバースピード感ありますが、やはり山下はこうでなくちゃと思います。

会場には、来年5月にはのと同じテデスコのゴヤの24のカプリス全曲演奏会が予定されているという告知がありました。現代ギターにイタリアで弾いた記事を見かけて、日本でもやってくれないかなあと思っていました。
これからまた山下さんの演奏を聴く機会が増えそうで嬉しい限りです。

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2017.10.28

Toshi Onizuka Japan Tour 2017 神保町楽屋

20171011rakuya10月11日に神保町の楽屋で行われたToshi Onizukaのライブに行きました。
昨年に引き続き、フットペダルによるパーカッションをたずさえての演奏を披露してくれました。
ループマシンを駆使した一人マルチプレイの伴奏に乗せて、相変わらずの切れの良いテクニックと歌ごごろあふれる演奏でした。後半では、ループマシンによる伴奏なしの完全なソロも交えることで、さらに音楽の幅が広がった印象になり、充実したライブになりました。

鬼塚さんのご厚意で、2曲を公開させていただけることになりました。
1つ目は後半の1曲目、オリジナルのTú Lo Sabiasです。美しいバラードです。

もう一つは鬼塚テイストに料理したマイケル・ジャクソンのヒューマンネイチャー。オリジナルよりファンキーかも。

今回の東京でのライブはこれ1回でしたが、郡山北九州金沢大阪にも活動が広がり、日本中にファンが増えつつあるようで、喜ばしい限りです。

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2017.08.29

ガブリエル・ビアンコ ギター・リサイタル

東京公演はここだけ(教えてくれた黒田さんに感謝)ということで、頑張って早めに職場を抜け出し初来日のガブリエル・ビアンコのリサイタルに行ってきました。

まず感じたのは、体の大きさを反映するかのような音楽の大きさ。実際、体の大きさはテクニックに反映しているようで、拡張でも無理のない確実な押弦力があり、発音も丁寧で音自体も太く美しい。そして、この技術を生かしながら、顔に出るほど(といってもパ○ルのような滑稽さはない)気持ちを込めてよく歌います。歌い方もフランス人らしくシャレた感じで良い。
これらの美点は、テデスコの世紀に渡る変奏曲に一番好ましく反映されたように思いました。変奏を含めてここまでよく歌っている演奏は初めてで、リズムも立っていて諧謔的雰囲気もよく出ていました。
重量感のある曲の間に有名な小品をはさむプログラムは、小品がちょうどよい箸休めになって意外と聴きやすい。しかも、小品もそれぞれよく練られて、単なる一般聴衆向けサービスではない気持ちの入った演奏で、十分に堪能できました。
これはアンコールにも現れていて、ちょっと田舎くさい(失礼)トローバもこの人にかかるとこんなに洒落た音楽になるし、アルハンブラもトレモロを見事にカンタービレさせていました。
使用楽器のスモールマンは音圧も凄く、ホール中に響き渡っていましたが、せっかく丁寧にやっている音色変化が実際の音に現れにくいように思いました。ここれほどの発音技術があるなら、いわゆる名器での演奏を聴いてみたいと思いました(誰か貸してあげれば!)。プログラムにもソナタや組曲なんかが1つ入ると、重みが出て完璧だと思います。

20代にしてこれ程の音楽を完成させているこの素晴らしい演奏家の今後の活動を注目していきたいと思いました。

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2017.08.16

佐藤弘和作品を楽しむ会vol.3

Img_20170816_0001立川市柴崎学習館ホールで行われた佐藤弘和作品を楽しむ会にうかがいました。

独奏から合奏まで、マンドリンやフルートまで参加する豊富なバリエーションの演奏を堪能しました。
以前所属していた多摩川(ギター)カルテットも出演し、「二十歳の頃」を客席で聞くことができました。最初つかみどころがないと思っていたこの曲が、今はどこか青春映画のようなドラマチックさを感じるいい曲に思えていて、客席でもその良さを感じることができました。
ギターデュオのHOPEという曲は多分初めてで、おそらく震災後に書かれた曲だと思いますが、佐藤さんらしい前向きな曲想が良いと思いました。
フルートとギターのデュオ曲のフェアリーテイルは作品展vol.4で弾かれたことを思い出しました。これも広く弾かれて欲しいので出版が待たれます。
秋のソナチネも久しぶりに生で聴けて良かった。立派な演奏でした。佐藤さんの結婚式にも流れていたというエピソードで、この曲に取り組みたいという気持ちが高まり、演奏内容も参考になりました。
マンドリンとギターの曲集はいろんな楽器と使えそうです。楽譜ありがとうございました。
齊藤泰士さんが弾いた 「航海者たち」は切れの鋭い演奏。本日の白眉だったのではないでしょうか。
立山讃歌は作品展vol.3でも弾かれたことを思い出しました。記憶あいまいですが(すみません)、開演前に永島さんがおっしゃっていたように、弾く機会を作ることの重要さを感じながら聴きました。
全体合奏の定番、光の街はプロの顔も多くみられる圧巻の演奏。いまだに手拍子のリズムすら覚えていない私は実はモグリかもしれませんが、3連のモチーフが生まれたエピソードとともに楽しく聴かせていただきました。

演奏に際して披露されたエピソードは初めて聞く話もあり、それぞれの曲への佐藤さんの想いを感じ、大切に弾いていかなくてはいけないと感じました。主宰されるブルーベルギター合奏団の方はいろいろご苦労もあると思いますが、これだけ多くの来場者がこれからもいろいろな形で支えてくれると思うので、長く続いて欲しい演奏会だと思いました。


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2017.08.11

大柴拓 × 佐藤芳明 × 西嶋徹 トリオ

大柴拓さんの演奏をYouTubeで見ているうちに生で聴いてみたくなったので調べてみると、佐藤芳明さん岩川光さんと共演している)と西嶋徹さん前に聴いたときすごく良かった)とのトリオでのライブが四谷のホメリで行われるのを見つけたので、聴きに行ってみることにしました。共演者がどこかでつながっていて、それを辿ってライブを楽しむというのも良いです。

以前から思っていたとおり、ギターと蛇腹楽器の相性はすこぶる良く、さらにベース入ることでサウンドが安定してこれ以上の組み合わせはないのではないかと感じます。
演奏されたのはすべて演奏者のオリジナル。大柴さんの曲はどこか懐かしいメロディで聴きやすく、響きもナチュラルな感じなのですが、コードチェンジが意表を突いていて、スリリングな感じがおもしろい。南米を感じますが、この洗練された感じはブラジルの風でしょうか。テクニックのレベルも高く、確実な押弦と無駄のない弾弦が、歌いあげるメロディから速いパッセージまでを支えていて、どんな場面も安心して聴くことができました。
他の共演者の曲も素晴らしく、佐藤さんの切れのある感じ、西嶋さんのロマンチックな感じなど、私なりに別の個性を感じられて対比を楽しめました。

終演後は、お店で流れていた発売されたばかりの別ユニットのCD(Supervivid)が良かったので思わず購入してしまいました。これがまた良いのですが、この日のトリオのアルバムもぜひ出して欲しいです。
ということで収穫の多いライブで、大柴さんの活動はこれからも注目していきたいと思います。

ご本人のツイートを追記しておきます。


当日の映像がアップされていたので、この聴きやすくもスリリングな演奏を共有すべく、更に追記しておきます。

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2017.07.29

岡野雅一ギターリサイタル~佐藤弘和作品を弾く

Okano_satou_program近江楽堂で行われた岡野雅一さんのリサイタルを聴きました。
作品展のvol.2vol.5を聴いた想い出のホールですから、始まる前から感慨深い気持ちになります。

プログラムが非常によく練られていて、第一部では「祈りⅠ」「童心」「夕景」「季節」、第二部では「祈りⅡ」「回顧」「優しさ」「未来へ」と題されたグループごとに小品が組曲のようにまとめられ、適切な関連性を持って一連の曲を聴くことで佐藤さんの心象風景が浮かびあがってくるようでした。オリジナルの抒情的な美しさもさることながら編曲作品も、佐藤さんらしい凝った和声とバスや内声の動きでギターのオリジナルのように響いており、プログラムに適切な変化を与えていました。

そして、岡野さんの柔らかい音が佐藤さんの曲に良く合っていて、上質な音楽となって伝わって来ました。小品ながら30曲(+アンコール2曲)という、重量級となったプログラムを聴かせきった岡野さんの想いとそれを実現たらしめる技量も素晴らしい。

あらゆる要素の質が高く、佐藤さんが私達に遺してくれたものの大きさを攻めて感じることができた「作品展vol.7」とでも言うべき演奏会だったのではないかと思います。
この演奏会に行くことができて本当に良かった。

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2017.06.24

岩川光ケーナ・リサイタル「J.S.バッハ」

ケーナの岩川光さんがオールバッハの演奏会をやるということで、挑戦者の到達点を目撃すべく、うかがいました。

おそらくはその単純な構造ゆえ複雑な構造を持つ楽曲を演奏することは高い技術レベルを要求されるのでしょうが、それを感じさせないどころか、トラベルソのような柔らかい響きから、鋭く突き刺さるような響きまで自在に繰り出されます。しかも、バッハの無伴奏曲として求められるポリフォニックな表現、装飾、バリエーションなどバロック音楽としても一級品でこの楽器のためのオリジナル曲のように感じられるまで昇華していました。ゆえに、演目は、前半がBWV1008,BWV1009、後半がBWV1013,BWV1007と、作品番号だけで記述しておきます。
木管楽器は近江楽堂という空間とも相性が良く、終始続く高い緊張感とともにすべての要素において良いコンサートでした。

BWV008のプレリュードの映像が公開されていました。素晴らしい。

購入したCDは、ホールでの演奏を思い出させてくれますが、いい意味で少し落ち着いた雰囲気で、これはこれで楽しめます。バロック音楽、バッハがお好きな方は入手されることをお勧めします。

こちらでチェロ1のプレリュードが試聴できます。

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2017.06.22

ファビオ・ザノン クラシックギターリサイタル

前日まで迷っていましたが、主催の樋浦さんのおすすめメッセージに押されて、ファビオ・ザノンのコンサートに行ってきました。

この人はとにかく自在にコントロールされた音色と音圧がすごい。正に「現代のセゴビア」ですが、セゴビアと違うのが南米出身ならではのリズムが素晴らしいことでしょう。この2つの美点は、もっとも現代的な演目であったノクターナルにも表れていました。難解な変奏部分では、しっかりしたリズムの上で自在な音色変化によってドラマチックに表現し、ややもすると退屈なパートを聴かせ切り、最後のダウランドの主題では、美しい弱音で弾くことで戦争の後の平穏のように響かせていました。私が今まで聴いたこの曲の演奏の中で、最高のものだったと思います。
また、そのあとのブラジルレパートリーもテクニックと音色、そしてキレの良いリズムで楽しく聴かせてくれました。ペレイラなんかは大好きなので、もう2、3曲聴きたかったな。

こうやって振り返ってみて、個人的な好みでプラグラムに関する要望を言えば、前半にロマン派のビルトゥオージティあふれるギター曲とノクターナル、後半はブラジル曲特集にすれば、芸風の良い所をさらに引き出すことができて、もっと楽しめたのではないかとも思いました。

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