2017.08.16

佐藤弘和作品を楽しむ会vol.3

Img_20170816_0001立川市柴崎学習館ホールで行われた佐藤弘和作品を楽しむ会にうかがいました。

独奏から合奏まで、マンドリンやフルートまで参加する豊富なバリエーションの演奏を堪能しました。
以前所属していた多摩川(ギター)カルテットも出演し、「二十歳の頃」を客席で聞くことができました。最初つかみどころがないと思っていたこの曲が、今はどこか青春映画のようなドラマチックさを感じるいい曲に思えていて、客席でもその良さを感じることができました。
ギターデュオのHOPEという曲は多分初めてで、おそらく震災後に書かれた曲だと思いますが、佐藤さんらしい前向きな曲想が良いと思いました。
フルートとギターのデュオ曲のフェアリーテイルは作品展vol.4で弾かれたことを思い出しました。これも広く弾かれて欲しいので出版が待たれます。
秋のソナチネも久しぶりに生で聴けて良かった。立派な演奏でした。佐藤さんの結婚式にも流れていたというエピソードで、この曲に取り組みたいという気持ちが高まり、演奏内容も参考になりました。
マンドリンとギターの曲集はいろんな楽器と使えそうです。楽譜ありがとうございました。
齊藤泰士さんが弾いた 「航海者たち」は切れの鋭い演奏。本日の白眉だったのではないでしょうか。
立山讃歌は作品展vol.3でも弾かれたことを思い出しました。記憶あいまいですが(すみません)、開演前に永島さんがおっしゃっていたように、弾く機会を作ることの重要さを感じながら聴きました。
全体合奏の定番、光の街はプロの顔も多くみられる圧巻の演奏。いまだに手拍子のリズムすら覚えていない私は実はモグリかもしれませんが、3連のモチーフが生まれたエピソードとともに楽しく聴かせていただきました。

演奏に際して披露されたエピソードは初めて聞く話もあり、それぞれの曲への佐藤さんの想いを感じ、大切に弾いていかなくてはいけないと感じました。主宰されるブルーベルギター合奏団の方はいろいろご苦労もあると思いますが、これだけ多くの来場者がこれからもいろいろな形で支えてくれると思うので、長く続いて欲しい演奏会だと思いました。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.08.11

大柴拓 × 佐藤芳明 × 西嶋徹 トリオ

大柴拓さんの演奏をYouTubeで見ているうちに生で聴いてみたくなったので調べてみると、佐藤芳明さん岩川光さんと共演している)と西嶋徹さん前に聴いたときすごく良かった)とのトリオでのライブが四谷のホメリで行われるのを見つけたので、聴きに行ってみることにしました。共演者がどこかでつながっていて、それを辿ってライブを楽しむというのも良いです。

以前から思っていたとおり、ギターと蛇腹楽器の相性はすこぶる良く、さらにベース入ることでサウンドが安定してこれ以上の組み合わせはないのではないかと感じます。
演奏されたのはすべて演奏者のオリジナル。大柴さんの曲はどこか懐かしいメロディで聴きやすく、響きもナチュラルな感じなのですが、コードチェンジが意表を突いていて、スリリングな感じがおもしろい。南米を感じますが、この洗練された感じはブラジルの風でしょうか。テクニックのレベルも高く、確実な押弦と無駄のない弾弦が、歌いあげるメロディから速いパッセージまでを支えていて、どんな場面も安心して聴くことができました。
他の共演者の曲も素晴らしく、佐藤さんの切れのある感じ、西嶋さんのロマンチックな感じなど、私なりに別の個性を感じられて対比を楽しめました。

終演後は、お店で流れていた発売されたばかりの別ユニットのCD(Supervivid)が良かったので思わず購入してしまいました。これがまた良いのですが、この日のトリオのアルバムもぜひ出して欲しいです。
ということで収穫の多いライブで、大柴さんの活動はこれからも注目していきたいと思います。

ご本人のツイートを追記しておきます。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.07.29

岡野雅一ギターリサイタル~佐藤弘和作品を弾く

Okano_satou_program近江楽堂で行われた岡野雅一さんのリサイタルを聴きました。
作品展のvol.2vol.5を聴いた想い出のホールですから、始まる前から感慨深い気持ちになります。

プログラムが非常によく練られていて、第一部では「祈りⅠ」「童心」「夕景」「季節」、第二部では「祈りⅡ」「回顧」「優しさ」「未来へ」と題されたグループごとに小品が組曲のようにまとめられ、適切な関連性を持って一連の曲を聴くことで佐藤さんの心象風景が浮かびあがってくるようでした。オリジナルの抒情的な美しさもさることながら編曲作品も、佐藤さんらしい凝った和声とバスや内声の動きでギターのオリジナルのように響いており、プログラムに適切な変化を与えていました。

そして、岡野さんの柔らかい音が佐藤さんの曲に良く合っていて、上質な音楽となって伝わって来ました。小品ながら30曲(+アンコール2曲)という、重量級となったプログラムを聴かせきった岡野さんの想いとそれを実現たらしめる技量も素晴らしい。

あらゆる要素の質が高く、佐藤さんが私達に遺してくれたものの大きさを攻めて感じることができた「作品展vol.7」とでも言うべき演奏会だったのではないかと思います。
この演奏会に行くことができて本当に良かった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.06.24

岩川光ケーナ・リサイタル「J.S.バッハ」

ケーナの岩川光さんがオールバッハの演奏会をやるということで、挑戦者の到達点を目撃すべく、うかがいました。

おそらくはその単純な構造ゆえ複雑な構造を持つ楽曲を演奏することは高い技術レベルを要求されるのでしょうが、それを感じさせないどころか、トラベルソのような柔らかい響きから、鋭く突き刺さるような響きまで自在に繰り出されます。しかも、バッハの無伴奏曲として求められるポリフォニックな表現、装飾、バリエーションなどバロック音楽としても一級品でこの楽器のためのオリジナル曲のように感じられるまで昇華していました。ゆえに、演目は、前半がBWV1008,BWV1009、後半がBWV1013,BWV1007と、作品番号だけで記述しておきます。
木管楽器は近江楽堂という空間とも相性が良く、終始続く高い緊張感とともにすべての要素において良いコンサートでした。

BWV008のプレリュードの映像が公開されていました。素晴らしい。

購入したCDは、ホールでの演奏を思い出させてくれますが、いい意味で少し落ち着いた雰囲気で、これはこれで楽しめます。バロック音楽、バッハがお好きな方は入手されることをお勧めします。

こちらでチェロ1のプレリュードが試聴できます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.06.22

ファビオ・ザノン クラシックギターリサイタル

前日まで迷っていましたが、主催の樋浦さんのおすすめメッセージに押されて、ファビオ・ザノンのコンサートに行ってきました。

この人はとにかく自在にコントロールされた音色と音圧がすごい。正に「現代のセゴビア」ですが、セゴビアと違うのが南米出身ならではのリズムが素晴らしいことでしょう。この2つの美点は、もっとも現代的な演目であったノクターナルにも表れていました。難解な変奏部分では、しっかりしたリズムの上で自在な音色変化によってドラマチックに表現し、ややもすると退屈なパートを聴かせ切り、最後のダウランドの主題では、美しい弱音で弾くことで戦争の後の平穏のように響かせていました。私が今まで聴いたこの曲の演奏の中で、最高のものだったと思います。
また、そのあとのブラジルレパートリーもテクニックと音色、そしてキレの良いリズムで楽しく聴かせてくれました。ペレイラなんかは大好きなので、もう2、3曲聴きたかったな。

こうやって振り返ってみて、個人的な好みでプラグラムに関する要望を言えば、前半にロマン派のビルトゥオージティあふれるギター曲とノクターナル、後半はブラジル曲特集にすれば、芸風の良い所をさらに引き出すことができて、もっと楽しめたのではないかとも思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.06.16

ギターと他楽器の演奏会

短い期間で、ギターがほかの楽器と合わせる2つのコンサートを聴くことができました。

1つはちょっとしたご縁で、鈴木大介さんがソリストのアランフェスががかる洗足学園音楽大学大学院室内管弦楽団第8回定期演奏会にうかがいました。

ハプニングもありましたが、ギター小僧が年をとっただけの私としては、ギターが入る演奏がもう1回聴けてラッキーと思っちゃいます。協奏曲はいつもそうなのですが、3楽章が終わるとギターの出番も終ってしまうのが悲しいんです。こういうリハーサルを経ているためか、オケもよく表情がついていたように思います。
特筆すべきは音響で、ギターのために大きなスピーカーが2つ出てきて、どれだけ拡声されるんだろうかと思っていましたが、演奏が始まると自然なバランスで、オーケストラの演奏にギターの音が自然に埋もれる感じがありました。オケに長く参加していた知り合いによると編成を落としていない12型だそうで、音響デザイン科の方の活躍が感じられました。
もちろんベートーヴェンも若々しさがあふれる演奏で、楽しめた演奏会だったと思います。

もう一つは、河野智美さんが出演する丸の内トラストシティのランチタイムコンサートを聴きました。

こちらは、職場が近くだったのと、チェロとギターのレパートリーが気になっていたのでうかがいました。演奏環境は厳しいようでしたが、かえってその分伸び伸びと弾いているように感じられ、演目のバランスも良く、1時間近いプログラムはボリュームも十分で、最初から最後まで楽しく聴かせていただきました。
弾いてみたいなと思ったのは、ピアソラ、ファリャあたりですが、現実的な所ではアンコールのG線上のアリアなんか良いなあと思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.03.19

佐藤弘和『音楽のエッセイ』、CD『鳥が飛ぶ』同時発売記念コンサート

昨年、惜しくも亡くなった佐藤弘和さんの遺作とも言うべき曲集「音楽のエッセイ~ギターソロのための24の小品集~」とそれを収めたCD「鳥が飛ぶ ー佐藤弘和作品集ー」の原善伸さんによる発売記念の全曲演奏コンサートにうかがいました。

心に染みるコンサートでした。
最初は、独奏の24の小品から。少しだけですが参加させてもらい作曲時の経緯を知っていると、その日々の佐藤さんの気持ちを反映した純粋な美しさがあるのが感じられます。また、原さんのすっきりとした音とともに、思い出のアルバムをめくるような気持ちになり、特に最後のコラールは胸に迫るものがありました。CDを聴きながら書き忘れてたことを思い出して追記します。この曲集の中でも、特に退院されてからの7曲に、何か強い思いがあると思います。この曲集はとても大切なものであることを感じました。
後半は重奏で、まずは鈴木大介さんとの2重奏。これらは24のソロと同曲ながら和声が充実していて別の曲のように聞こえます。そして3重奏の夏野原。大萩康司さんが加わってこれ以上は考えられない豪華な組み合わせで、爽やかなこの曲を楽しませていただきました。
アンコールでは、原さんのソロに続いて、3重奏で光の街というサプライズ!鈴木さんのウイットに富んだMCもあり、この豪華なメンバーで定番曲を聴けたのは貴重でした。

終演後は、購入したCDにサインしていただき、3人の名前が入ったプレミアム物のおみやげを持って家路につきました。
<追記>
CDを聴いていますが、これは素晴らしい。録音が良く音が美しい。表現を細かいところまで磨み佐藤さんの意図がよく反映されていて、聴いていて心地よいだけでなく演奏するときの参考としてもありがたいです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.02.12

ヤマンドゥ・コスタ ギターリサイタル

贅沢なことに前回に引き続き今回はホールでヤマンドゥ・コスタを家族とともに聴くという幸せな機会を得ました。

ヤマンドゥの場合、ホールでのパフオーマンスはライブハウスの濃密さとは違って、開放的な気分になるようです。ちょうど前回のレポートで「山下和仁並のダイナミックス」と書きましたが、ここでは体の動きが山下的で、構えが柔軟に変わる上にギターも縦横無尽に動き、途中で立ち上がらんばかりかと思うと、曲のフィニッシュとともに本当に立ち上がるというエキサイティングな演奏。音楽も前回同様、怒涛のリズム、スピードと音圧、そして歌心。家族全員で興奮していました。
今回は、アンコールで友人と思われる女性ボーカル(この人の名前教えてください>誰か)が飛び入り参加し、そのキュートな風貌と暖かい歌声に感動しました。YouTubeやCDでも聴くことができますが、ヤマンドゥのセッション力の高さを体験することができ、次回はデュオやバンドでの来日も期待したいです。

終演後は、持参した(買わずにすみません)CDにサインをもらうべく長い列に並びました。ヤマンドゥは設営された席から立ち上がって全員と会話しながらサインや撮影に応じていて、だんだん列に沿ってこちらに近づいてきていました。順番が来ると、娘に優しく接してくれて、すでに音楽に魅了されていた娘はこの優しいスーパーギタリストが大好きになってしまいました。前日のガジェンもそうでしたが、一流の音楽家ほど人柄も素晴らしいものなのだなあと感じました。
ソティエなきあと、毎年このような素晴らしいギタリストを招致して、ギターファンに素晴らしい音楽体験を提供してくれるイーストエンド国際ギターフェスティバルを主宰している樋浦さんに感謝します。

<追記>
この日本ツアーの武蔵野スイングホールでの公演映像がYouTubeにアップされていました。少しでも雰囲気が伝わればと思うので張っておきます。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017.02.11

リカルド・ガジェン ギターリサイタル

バッハのCDを聴いてから、来日を待ちわびていたリカルド・ガジェンのコンサートについに行くことができました。何年かに一度「XXショック」というようなものがあるとすれば、「ガジェン ショック」とでも言うべき日でした。

前半はバッハとソル。バッハ998は歌うことでフレーズを丁寧に聴かせてくれます。フーガのリピート時のバリエーションは装飾と言うよりドゥーブルのよう。そしてアタッカで入ったアレグロは快速な上に華やかな装飾による様式感も抜群で、CDよりもエキサイティングなこの上ない完成度。久しぶりに震えがきました。
ソルのソナタの上品な1 9世紀音楽といった演奏で、プログラムの中ではよい箸休めといった感じで前半終了。

後半はさらにパワーアップ。まずバリオスのワルツ3、4を続けて演奏。度肝を抜く速いスケールに圧倒されますが、ゆったりと歌うフレーズとの対比が素晴らしい。大聖堂もアゴーギクを効かせてしっとり歌う1、 2楽章から間髪入れず湧き上がってくる3楽章が瑞々しい。ロマン派の曲はかく弾くべしというメッセージを感じました。
そしてブローウェル。組曲2番は15歳の時の作品ながら完成度・難易度が高く、ロマンチックな旋律と南米らしいリズムの対比を楽しく聴かせてくれました。そして、日本初演のソナタ4番。さらにブローウェルらしい細かいパッセージと和音、リズムの組み合わせに高い技巧が求められるようで、組曲2番からより複雑に発展している現在の作風のコントラストの提示にプログラムの面白さを感じます。以前YouTubeで見かけたものの、ほぼ初めて聴く曲で、それなのに聴きやすく感じられ、4楽章があっという間でした。

全般に、その非常に高いテクニックを大胆なアゴーギク、デュナーミクの実現に用いることによって、音楽がわかりやすく提示されていると感じました。また、いずれのプログラムも曲の間、チューニングの音量も含めて神経を使っており、楽章のつながりを大切にすることで緊張感が保たれて、演奏の印象もより良いものになっていることに気づきました。実際にやるとなると難易度が高いことだと思います。18世紀からほぼ1世紀ずつ進み、21世紀に至る構成も見事でした。

アンコールはアルハンブラの思い出1曲でしたが、これだけの、しかも繊細に構成された重力級のプログラムの後では、ちょうどよいデザートといった趣きで、これはこれで好ましく感じました。
終演後は持参したCDにサインしてもらい、一番お気に入りのバッハアルバムであることを伝えることができました。

<追記>
ガジェン本人が、最終日のヤマンドゥとのセッションをアップしてました。本プロの大聖堂が入っているので貼っておきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.02.06

Yamandu Costa×笹久保伸

とんでもないものを見てしまいました。

事前にYouTubeでもさんざん見ていて、CDも持っていて事前学習十分で臨んだヤマンドゥ・コスタでしたが、実物を、しかも間近で見ると予想を超えた怒涛の音楽に圧倒されてしました。
まず、強烈に強いタッチと極限まで速い指回りが生み出す圧倒的な音圧。それが歌心ある優しいタッチとの落差で山下和仁並のダイナミックスを生み出していました。リズムも凄く、細かいパッセージを弾きながら、いつも大きなうねりを感じ続けていて、それが観客にも心地よく伝わってきます。時々入るスキャット、口笛、ボーカルも心地よい。特に口笛が予習でみたものよりレベルアップしていたように思いました。
演奏曲は、予習済みの曲でも即興感あふれていて楽しく、最近作ったという曲も心に響きます。息子のために作ったという曲はよかったなあ。

そして、今回のオープニングアクトを飾った笹久保伸さんの演奏が聴けたのも大きな収穫でした。
ビートルズの前に演奏したドリフターズに勝るとも劣らないプレッシャーだったと思いますが、自分の音楽をしっかり表現することにとどまらず、南米のさまざまなリズムを独特の右手のテクニックを用いて聴かせてくれました。パーカッシブな奏法としては、北米の筋肉系ギタリストのそれより繊細かつバリエーションが豊かで、ヤマンドゥにない美点を見せていました。さらにアンコールでヤマンドゥとのデュオでもそのリズムを発揮し、力量に感服しました。

晴れたら空に豆まいては初めてでしたが、畳敷きの室内によって、広さのわりにそこそこのキャパを実現していて、空間の密度感が好ましく、また行ってみたいと思うライブハウスでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧