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2017.08.29

ガブリエル・ビアンコ ギター・リサイタル

東京公演はここだけ(教えてくれた黒田さんに感謝)ということで、頑張って早めに職場を抜け出し初来日のガブリエル・ビアンコのリサイタルに行ってきました。

まず感じたのは、体の大きさを反映するかのような音楽の大きさ。実際、体の大きさはテクニックに反映しているようで、拡張でも無理のない確実な押弦力があり、発音も丁寧で音自体も太く美しい。そして、この技術を生かしながら、顔に出るほど(といってもパ○ルのような滑稽さはない)気持ちを込めてよく歌います。歌い方もフランス人らしくシャレた感じで良い。
これらの美点は、テデスコの世紀に渡る変奏曲に一番好ましく反映されたように思いました。変奏を含めてここまでよく歌っている演奏は初めてで、リズムも立っていて諧謔的雰囲気もよく出ていました。
重量感のある曲の間に有名な小品をはさむプログラムは、小品がちょうどよい箸休めになって意外と聴きやすい。しかも、小品もそれぞれよく練られて、単なる一般聴衆向けサービスではない気持ちの入った演奏で、十分に堪能できました。
これはアンコールにも現れていて、ちょっと田舎くさい(失礼)トローバもこの人にかかるとこんなに洒落た音楽になるし、アルハンブラもトレモロを見事にカンタービレさせていました。
使用楽器のスモールマンは音圧も凄く、ホール中に響き渡っていましたが、せっかく丁寧にやっている音色変化が実際の音に現れにくいように思いました。ここれほどの発音技術があるなら、いわゆる名器での演奏を聴いてみたいと思いました(誰か貸してあげれば!)。プログラムにもソナタや組曲なんかが1つ入ると、重みが出て完璧だと思います。

20代にしてこれ程の音楽を完成させているこの素晴らしい演奏家の今後の活動を注目していきたいと思いました。

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2017.08.16

佐藤弘和作品を楽しむ会vol.3

Img_20170816_0001立川市柴崎学習館ホールで行われた佐藤弘和作品を楽しむ会にうかがいました。

独奏から合奏まで、マンドリンやフルートまで参加する豊富なバリエーションの演奏を堪能しました。
以前所属していた多摩川(ギター)カルテットも出演し、「二十歳の頃」を客席で聞くことができました。最初つかみどころがないと思っていたこの曲が、今はどこか青春映画のようなドラマチックさを感じるいい曲に思えていて、客席でもその良さを感じることができました。
ギターデュオのHOPEという曲は多分初めてで、おそらく震災後に書かれた曲だと思いますが、佐藤さんらしい前向きな曲想が良いと思いました。
フルートとギターのデュオ曲のフェアリーテイルは作品展vol.4で弾かれたことを思い出しました。これも広く弾かれて欲しいので出版が待たれます。
秋のソナチネも久しぶりに生で聴けて良かった。立派な演奏でした。佐藤さんの結婚式にも流れていたというエピソードで、この曲に取り組みたいという気持ちが高まり、演奏内容も参考になりました。
マンドリンとギターの曲集はいろんな楽器と使えそうです。楽譜ありがとうございました。
齊藤泰士さんが弾いた 「航海者たち」は切れの鋭い演奏。本日の白眉だったのではないでしょうか。
立山讃歌は作品展vol.3でも弾かれたことを思い出しました。記憶あいまいですが(すみません)、開演前に永島さんがおっしゃっていたように、弾く機会を作ることの重要さを感じながら聴きました。
全体合奏の定番、光の街はプロの顔も多くみられる圧巻の演奏。いまだに手拍子のリズムすら覚えていない私は実はモグリかもしれませんが、3連のモチーフが生まれたエピソードとともに楽しく聴かせていただきました。

演奏に際して披露されたエピソードは初めて聞く話もあり、それぞれの曲への佐藤さんの想いを感じ、大切に弾いていかなくてはいけないと感じました。主宰されるブルーベルギター合奏団の方はいろいろご苦労もあると思いますが、これだけ多くの来場者がこれからもいろいろな形で支えてくれると思うので、長く続いて欲しい演奏会だと思いました。


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2017.08.11

大柴拓 × 佐藤芳明 × 西嶋徹 トリオ

大柴拓さんの演奏をYouTubeで見ているうちに生で聴いてみたくなったので調べてみると、佐藤芳明さん岩川光さんと共演している)と西嶋徹さん前に聴いたときすごく良かった)とのトリオでのライブが四谷のホメリで行われるのを見つけたので、聴きに行ってみることにしました。共演者がどこかでつながっていて、それを辿ってライブを楽しむというのも良いです。

以前から思っていたとおり、ギターと蛇腹楽器の相性はすこぶる良く、さらにベース入ることでサウンドが安定してこれ以上の組み合わせはないのではないかと感じます。
演奏されたのはすべて演奏者のオリジナル。大柴さんの曲はどこか懐かしいメロディで聴きやすく、響きもナチュラルな感じなのですが、コードチェンジが意表を突いていて、スリリングな感じがおもしろい。南米を感じますが、この洗練された感じはブラジルの風でしょうか。テクニックのレベルも高く、確実な押弦と無駄のない弾弦が、歌いあげるメロディから速いパッセージまでを支えていて、どんな場面も安心して聴くことができました。
他の共演者の曲も素晴らしく、佐藤さんの切れのある感じ、西嶋さんのロマンチックな感じなど、私なりに別の個性を感じられて対比を楽しめました。

終演後は、お店で流れていた発売されたばかりの別ユニットのCD(Supervivid)が良かったので思わず購入してしまいました。これがまた良いのですが、この日のトリオのアルバムもぜひ出して欲しいです。
ということで収穫の多いライブで、大柴さんの活動はこれからも注目していきたいと思います。

ご本人のツイートを追記しておきます。


当日の映像がアップされていたので、この聴きやすくもスリリングな演奏を共有すべく、更に追記しておきます。

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