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2017.02.11

リカルド・ガジェン ギターリサイタル

以前、バッハのCDを聴いてから、来日を待ちわびていたリカルド・ガジェンのコンサートについに行くことができました。何年かに一度「XXショック」というようなものがあるとすれば、「ガジェン ショック」とでも言うべき日でした。

前半はバッハとソル。バッハ998は歌うことでフレーズを丁寧に聴かせてくれます。フーガのリピート時のバリエーションは装飾と言うよりドゥーブルのよう。そしてアタッカで入ったアレグロは快速な上に華やかな装飾による様式感も抜群で、CDよりもエキサイティングなこの上ない完成度。久しぶりに震えがきました。
ソルのソナタの上品な1 9世紀音楽といった演奏で、プログラムの中ではよい箸休めといった感じで前半終了。

後半はさらにパワーアップ。まずバリオスのワルツ3、4を続けて演奏。度肝を抜く速いスケールに圧倒されますが、ゆったりと歌うフレーズとの対比が素晴らしい。大聖堂もアゴーギクを効かせてしっとり歌う1、 2楽章から間髪入れず湧き上がってくる3楽章が瑞々しい。ロマン派の曲はかく弾くべしというメッセージを感じました。
そしてブローウェル。組曲2番は15歳の時の作品ながら完成度・難易度が高く、ロマンチックな旋律と南米らしいリズムの対比を楽しく聴かせてくれました。そして、日本初演のソナタ4番。さらにブローウェルらしい細かいパッセージと和音、リズムの組み合わせに高い技巧が求められるようで、組曲2番からより複雑に発展している現在の作風のコントラストの提示にプログラムの面白さを感じます。以前YouTubeで見かけたものの、ほぼ初めて聴く曲で、それなのに聴きやすく感じられ、4楽章があっという間でした。

全般に、その非常に高いテクニックを大胆なアゴーギク、デュナーミクの実現に用いることによって、音楽がわかりやすく提示されていると感じました。また、いずれのプログラムも曲の間、チューニングの音量も含めて神経を使っており、楽章のつながりを大切にすることで緊張感が保たれて、演奏の印象もより良いものになっていることに気づきました。実際にやるとなると難易度が高いことだと思います。18世紀からほぼ1世紀ずつ進み、21世紀に至る構成も見事でした。

アンコールはアルハンブラの思い出1曲でしたが、これだけの、しかも繊細に構成された重力級のプログラムの後では、ちょうどよいデザートといった趣きで、これはこれで好ましく感じました。
終演後は持参したCDにサインしてもらい、一番お気に入りのバッハアルバムであることを伝えることができました。

<追記>
ガジェン本人が、最終日のヤマンドゥとのセッションをアップしてました。本プロの大聖堂が入っているので貼っておきます。

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