« 食欲の秋 | トップページ | 第4回 クラシックギター演奏愛好会プチ発表会 »

2016.12.05

第59回東京国際ギターコンクール観戦記

上記速報のとおり、今年も東京国際ギターコンクールを観戦しました。少し落ち着いて来ましたので、以下演奏順で感想など。

Tomasi Davide Giovanniさんは昨年に続きトップバッター(くじ運悪いのか)にも関わらず、前回5位からの逆襲で見事優勝。
テクニックは十分。音も大きくフレージングも繊細に表現していて美しい。武満でのハーモニクスの発音の美しさは特筆レベル。レゴンディは難しいんだろうけど曲はつまらなかった。課題曲は美しくまとめていた。ダウランドから始まりダウランドで終わるという考えられた組み立ては面白いけど、ルネサンス・バロックがこれだけ?との感は残りましたが、十分に優勝に値する演奏内容だと思いました。

Mengyi Liさんはピーボディでバルエコに習っているとのこと。それを彷彿とさせるメカニカルな指の動きは抜群。そのパワーで音楽にしてしまえるアサドは、これまで聴いたことのないレベルで音楽の輪郭が感じられたが、バッハは一本調子でもっと緩急やメロディーを奏でる表現が欲しい印象。課題曲は弾きなおしが痛い。ジュリアーニはパワーが音楽になる部分もあるので、メロディを歌えれば最高の演奏になるかも。

松本富有樹さんは、ルネッサンスから開始してバッハに入るあたりまで、歌い回しが美しくテクニックもしっかりして「おっ日本人にこんな人居たんだ」と思いました。テデスコはリズム表現とも良かったが、それ以外はミス多く残念な印象。プログラム中の目玉だったと思われるレゴンディも正直あまり曲が面白くなかった。ただ、リサイタルを聴いてみたいと思ったのはこの人が一番。次は期待できると思いました。

山田唯雄さんは、まずルネッサンスで堂々とした表現。おおっと思ったが、次のメルツは昨年の内容に比べると細かいミスが少し目立ったような気がした。マネンが良くできていただけに惜しい。でも、テクニックは他の参加者に引けを取らない印象。武満を日本人らしく深く読み込んだことを感じさせ、その上での切れの良い表現で一番良かったと思います。2楽章の「あそこ」をチョーキングでやったのはこの人だけ。

Jeremy Peretさんは、爆音系楽器(ジム・レッドゲイト)でとにかく音圧でかいけど、最初の方の曲はあまり印象に残っていません。ピアソラは好きな曲で、色気たっぷりの歌いまわしが良かったけど、間違えたところの前のフレーズから弾き直したのが、手癖で覚えている感じがして印象が悪かった。コンクールとしてはピアソラかヒナステラのどちらかにして全楽章やった方が良かったのでは。

最後はJi Hyung Parkさん。ファリャは無難な滑り出し。スカルラッティでテクニックを示し、テデスコは弱音を美しく鳴らして、フォルテとの対比が良かった。後半細かいミスが増えたけど、止まらずに流れを維持していました。
2人目以降、ちょっと残念な場面とか曲のつまらなさとかで飽きてきたところで、このまま終わるのかなと思っていたら、繊細に強弱をつけて歌い回し、ひたむきに表現するなかなかのテクニシャンが出てきて、「おおっ、この人来るかも」と思いました。そういう流れで印象が良くなった点はありますが、2位より良かったと思うし、見方によっては1位でもと思ったりもします。

どうも私の場合、2位に不満があるのが毎年の傾向のようですが、総じて納得感ある結果だったとは思います。いつもは退屈な(^_^;)課題曲も、聴く機会が多く、昔弾いたこともある武満だったので、より楽しく聴き比べることができました。

|

« 食欲の秋 | トップページ | 第4回 クラシックギター演奏愛好会プチ発表会 »

コンサート」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13862/64563496

この記事へのトラックバック一覧です: 第59回東京国際ギターコンクール観戦記:

« 食欲の秋 | トップページ | 第4回 クラシックギター演奏愛好会プチ発表会 »