パブロ・マルケス クラシックギター リサイタル
イーストエンド国際ギターフェスティバルで行われたパブロ・マルケスのリサイタルを聴きました。
前半はソルとバリオスで、その音楽の美しさを堪能しました。クリアで美しい音に寄りかかることなく、よくコントロールされた音量とフレージングで歌われている一方、内声も丁寧に鳴らしているため、古典はもちろんバリオスのようなロマン派的な曲でもポリフォニックに響いているように感じます。トレモロ曲も正に二重奏のようでした。
後半は知らない作曲家で、リストにある南米のリズムに期待しながらも、ちょっと地味かなと思いましたが、聴きはじめると、その予想は裏切られました。
最初はグスタボ・レギサモンの5曲で、都度解説しながら弾かれ、同郷のこの作曲家への思い入れを感じました。ここでは、フォルクローレのリズム、テクニックも第一級のものを持っていることがわかります。これにクラシックの揺るぎない技術が相まって、ギターの限界を超えない範囲での激しさが加わり、極上のラテン音楽を聴かせてくれました。これらを収録したアルバムがECMから出ているのも分かるような気がします。
プログラムの最後に弾かれたエデュアルド・ロペス・チャバリのソナタは、ギターのオリジナル曲だそうですが、20世紀前半に作られただけあり、近代的響きが感じられるビルトゥジティ溢れる内容を抜群のテクニックで楽しませてくれました。この曲はホセのソナタ的にコンク-ルチャレンジャーに人気が出るんじゃないでしょうか。
アンコールもたっぷり4曲で、ヒナステラのソナタ第4楽章まで入っている充実ぶり。
終演後は、休憩時間に買ったグスタボ・レギサモンのCD
を持ってサインの列へ。そこで、一人ひとりに気さくに応対するマルケスと主催者自ら一人ずつ写真を撮る樋浦さんには感激しました。思えば、この樋浦さんのこのホスピタリティがフェスティバルを成功に導いているのだなあと、改めて感じます。これからも、ギター好きにとって至福の時間を与えてくれるこの素晴らしいフェスティバルに期待しています。
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