2019.05.20

ホルヘ・カバジェロ ギターリサイタル

イーストエンド国際ギターフェスティバルで、今年もまた凄いコンサートを聴きました。

2001年の東京国際ギターコンクールでの鮮烈な演奏を記憶していて、いつかリサイタルを聴きたいと思っていたホルヘ・カバジェロです。

前半は、アルベニスの組曲イベリアからの4曲でスタート(エボカシオンアルバイシンマラガはYouTubeにありました)。ギターソロで弾くのは相当難易度が高いと思われるのですが、軽々と弾ききり技量を見せつけます。さらに、和音のバランスが良く音そのものの美しさと多彩な音色、ビブラートを効かせて歌わせることで、ピアノにないギターならではの情感溢れる演奏を聴かせてくれました。
次のバッハの半音階的幻想曲とフーガがまた凄い。美音故にチェンバロでは聞こえる弦を弾く音がないため、音楽がはっきり浮かび上がるように感じられ、和音のバランスの良さによる声部の明瞭さと相まって、この名曲をより魅力的に聴かせてくれたように思います。

後半は展覧会の絵山下和仁の演奏を直接聴き、レコードを繰り返し聴いたリアルタイム山下世代としては、特別の思い入れがある曲で、この曲の生演奏をまたも聴くことができることはそれだけで大きな喜びです。カバジェロは彼なりの緻密な演奏で、ある意味山下よりも美しく響かせながらこの曲を聴かせてくれました。一方で、山下はよりパッション溢れる演奏だったことも思い起こされ、改めてそれぞれの凄さを感じた時間となりました。

振り返ると、演奏曲は全て鍵盤からの編曲なんですが、ギターならではの表現でオリジナル以上の魅力を引き出せることを示すコンサートであったように思います。
終演後は、サインの列に並びかつての東京国際で演奏を聴き、その時の参加者の中でー番良いと思ったので今日来たなどと話し、一緒に写真を撮ってもらいました。今から再来日が期待されます。次はバッハのリュート作品やテデスコ、ロドリーゴ、タンスマンなどの近代物などオーソドックスなギターレパートリーも聴いてみたいですね。

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2019.02.08

注目のギタリスト Antoine Boyer

どういうきっかけだったか忘れましたが、YouTubeで見かけてからすっかり気に入っているAntoine Boyerというギタリストを紹介しておきます。

CDはいくつか出ていますが、昨年出たこのCaméléon Waltzというソロギターアルバムがおすすめです。私の愛聴盤になっています。

とにかく何を弾かせてもうまい。
まずはクラシック、ネットで見られるものだとスカルラッティがあり、様式感もあるしっかりした演奏です。

楽器はフルアコですが、ピアソラのブエノスアイレスの冬も弾いています。

ジャズアレンジ的なソロギターは、いい具合にアウトしていく展開部いいです。このサウンド・オブ・サイレンスなんかがグッときます。

ジスモンチをハーモニカとデュオでやってたり、

ジプシージャズも得意なようです。ちょっと古いですが、大好きなヌアージュの演奏。

こういうアンサンブルもこなせる万能選手なので、今後の活躍が広がっていくことが期待できますね。

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2018.11.01

ヤマンドゥ・コスタふたたび

今回の来日は諦めかけていたのですが、とある方のおかげで(ありがとうございます!)武蔵野スイングホールで行われたヤマンドゥ・コスタ ギター・コンサートに行くことができました。もう「人類最強のギタリスト」の一言でおしまいにしたくなるのですが、がんばって記録してみようと思います。

まず第一音を発した瞬間、高音部だったと思いますが、なんと美しく通る音なんだろうと感じました。爪を綺麗に磨くタイプの人でもなく、アンプを通しているにも関わらずこんな印象を受けるのは、ヤマンドゥさんのタッチが鋭く適切な状態で弦を捉えているからなんだろうなと思います。

今回も大好きなモンターニャのをポロが弾かれました。YouTubeで過去からの演奏を見ても感じられるようにどんどんバリエーションが増えてきていて、しかもスリリングさもどんどん増していく。まるでヤマンドゥさんのオリジナルのようになってきています。
「笑う」という曲は本人曰く世界初演とのことで、途中で「ワッハッハ」というおおらかな笑いを実際に発しながら演奏する、楽しいながら音楽的にも面白い曲で、これも何か得した気分。
ポピュラーな曲だとエル・チョクロが弾かれました。しかし、これも「ヤマンドゥスタイル」で細かいパッセージを加えながら、これでもかとういう迫力で爽快に弾ききります。そう、ヤマンドゥさんの演奏は全体に大きなリズムが感じられるため、超絶技巧部分があっても一貫して爽やかな風が通り抜けるような音楽なんですね。
今回は歌のクオリティも上がったように感じました。すごく声が抜けてきたというか、バラード歌われちゃうとその優しい性格に直接触れるような感覚になってちょっと潤んでしまうほど。
本プログラムの最後に弾かれたのは前回も最後に弾いたEl Negro del Blanco。これは無人島に持っていく10のギター曲に選んだくらい大好きな曲で、コンサートを締めくくるのにふさわしい曲です。

ヤマンドゥさんも言っていたようにこのホールは音響が良く、しかも200人弱のキャパはスーパーギターリストを聴くにはもったいないコンパクトさで、彼の演奏を間近で堪能できました。
終演後はやっぱりちょっとでもヤマンドゥさんと話したくて、CD買って列に並んでしまいました。昨年、娘と一緒に行ったことを覚えていてくれた(無理やり思い出させた?)ようで嬉しかったです。

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