2019.02.08

注目のギタリスト Antoine Boyer

どういうきっかけだったか忘れましたが、YouTubeで見かけてからすっかり気に入っているAntoine Boyerというギタリストを紹介しておきます。

CDはいくつか出ていますが、昨年出たこのCaméléon Waltzというソロギターアルバムがおすすめです。私の愛聴盤になっています。

とにかく何を弾かせてもうまい。
まずはクラシック、ネットで見られるものだとスカルラッティがあり、様式感もあるしっかりした演奏です。

楽器はフルアコですが、ピアソラのブエノスアイレスの冬も弾いています。

ジャズアレンジ的なソロギターは、いい具合にアウトしていく展開部いいです。このサウンド・オブ・サイレンスなんかがグッときます。

ジスモンチをハーモニカとデュオでやってたり、

ジプシージャズも得意なようです。ちょっと古いですが、大好きなヌアージュの演奏。

こういうアンサンブルもこなせる万能選手なので、今後の活躍が広がっていくことが期待できますね。

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2018.11.01

ヤマンドゥ・コスタふたたび

今回の来日は諦めかけていたのですが、とある方のおかげで(ありがとうございます!)武蔵野スイングホールで行われたヤマンドゥ・コスタ ギター・コンサートに行くことができました。もう「人類最強のギタリスト」の一言でおしまいにしたくなるのですが、がんばって記録してみようと思います。

まず第一音を発した瞬間、高音部だったと思いますが、なんと美しく通る音なんだろうと感じました。爪を綺麗に磨くタイプの人でもなく、アンプを通しているにも関わらずこんな印象を受けるのは、ヤマンドゥさんのタッチが鋭く適切な状態で弦を捉えているからなんだろうなと思います。

今回も大好きなモンターニャのをポロが弾かれました。YouTubeで過去からの演奏を見ても感じられるようにどんどんバリエーションが増えてきていて、しかもスリリングさもどんどん増していく。まるでヤマンドゥさんのオリジナルのようになってきています。
「笑う」という曲は本人曰く世界初演とのことで、途中で「ワッハッハ」というおおらかな笑いを実際に発しながら演奏する、楽しいながら音楽的にも面白い曲で、これも何か得した気分。
ポピュラーな曲だとエル・チョクロが弾かれました。しかし、これも「ヤマンドゥスタイル」で細かいパッセージを加えながら、これでもかとういう迫力で爽快に弾ききります。そう、ヤマンドゥさんの演奏は全体に大きなリズムが感じられるため、超絶技巧部分があっても一貫して爽やかな風が通り抜けるような音楽なんですね。
今回は歌のクオリティも上がったように感じました。すごく声が抜けてきたというか、バラード歌われちゃうとその優しい性格に直接触れるような感覚になってちょっと潤んでしまうほど。
本プログラムの最後に弾かれたのは前回も最後に弾いたEl Negro del Blanco。これは無人島に持っていく10のギター曲に選んだくらい大好きな曲で、コンサートを締めくくるのにふさわしい曲です。

ヤマンドゥさんも言っていたようにこのホールは音響が良く、しかも200人弱のキャパはスーパーギターリストを聴くにはもったいないコンパクトさで、彼の演奏を間近で堪能できました。
終演後はやっぱりちょっとでもヤマンドゥさんと話したくて、CD買って列に並んでしまいました。昨年、娘と一緒に行ったことを覚えていてくれた(無理やり思い出させた?)ようで嬉しかったです。

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2018.10.01

伊藤雅一ギターリサイタル

数十年ぶりの帰国リサイタルとなる伊藤雅一さんのコンサートを聴きました。
彼は高校のクラブの後輩なのですが、演奏をちゃんと聴くのは第28回の東京国際ギターコンクールで2位になって以来かもしれません。懐かしさとともに、長いアメリカ生活を経てどんなギタリストになっているのか、大きな期待とちょっとした不安が入り混じった気持ちで出かけました。

最初に弾かれたピポーの歌と踊りで、すぐに不安は杞憂であることがわかります。和音による伴奏に乱されることなくメロディがを大切に歌われる演奏に、一流演奏家のみが聴かせてくれる音楽を感じました。踊りも鮮やかな弾きっぷりです。
大序曲は彼が高校の時から得意としていた曲。後で聞いたらやはりクラブの旧友を意識した選曲だったとのこと。粋な計らいです。しかし、当然のことながら当時とは違う巨匠の演奏で、自在に緩急をつけながら素晴らしい音色で聴かせてくれました。
次の2曲はトゥリーナとデ・ラ・マーサ。このあたりは手塚健旨さんやホセ・ルイス・ゴンザレスに師事した経験が効いているいるのでしょうか、スペインの香り豊かな演奏です。
そして、ブローウェルのジャンゴ・ラインハルトの主題による変奏曲。これは相当難易度が高い曲のはずですがやはり鮮やか。前半最後を飾るのにふさわしいスリリングな演奏でした。

後半はギターアンサンブルをバックにビバルディの協奏曲から。ギターにとってはポピュラーな協奏曲ながら、アンサンブルをリードしながら各所にバロックらしいいきなバリエーションが加えられ、新鮮に聴くことができました。
そしてバリオス。大聖堂、最後のトレモロ、ワルツ4番という定番ながら難易度が高い曲の連続でしたが、それぞれテクニックの切れ、ダイナミクス、音の美しさと申し分のない演奏で、楽しく聴くことができました。
アンコールはグラン・ホタ。音楽的な楽しみというより、ギターテクニックの多彩さを伝える曲だと思うので、本プログラムよりはアンコールにこそふさわしく、華麗なるテクニックを持つ彼のコンサートを締めくくるのにぴったりでした。

これほどのテクニックと音楽性を合わせ持つ日本人プレイヤーは、下の世代には鈴木大介さんや大萩泰司さんなど何人もいるように思うのですが、50代では以外と少ないのではと思います。そういう点でも同世代の星として応援して行きたいと思いました。

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